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クレーム千夜一夜 < 第55話 「元の木阿弥・・・」の話 >
横浜市営のバスで時々出会う運転士Aさんがいます。私はどうも気に入りません。というのは、運転士のAさんがマイクで車内に発する声がよく聞こえないからです。バス停のご案内、注意事項を伝えているのですが内容がまったくか分らないのです。発しているのは分りますが、聞こえないような、しかも途切れ途切れの声なので言っていることが分りません。運転しながらですから大変でしょうが、どうせ発声するなら乗客に分るような音量と明確さが必要です。私は、運転士Aさんのバスに、時々乗ることがあり、「聞こえないなあ」と感じていました。横浜市交通局の担当者は車内放送がこのようになっていることを知っているのかな?一度電話で連絡してみようかな、と感じながらも実行に移していません。私以外の乗客はというと、あまり不満に感じている様子はありません。「そんなことで文句を言っても仕方が無いよ」とでも思っているのかもしれません。だったら、Aさんの声で車内放送などしなくてもいいのに。現に、プロの女性が聞きやすい明確な車内放送を行っているのですから。そんな思いを何度かしながら今日に至りました。
今日も橫浜市営バスに乗りました。すると「あの」かすれた小さな声が聞こえてきました。ああ、Aさんだ。相変わらずの車内放送だな、と思っていたときです。車内で座っていた女性のご老人が走行中に席を立ち、運転士のAさんの方に歩いて行きました。すると、何と「走行中に席を立つと危険ですから、手すりを強くお掴まりください」という注意喚起が何度もマイクを通じて聞こえてきたのです。次の停留所までの3分間で10回は注意放送をしていました。
あらまあ、明確な声が出るじゃないの。大きな声で。何だ、出来るじゃないの。結局、通常は出そうとしていないだけなんだ、と思ってしまいました。女性のご老人女が運転士のAさんの後ろで二言三言何かを伝えた後、前の入口から下車していきました。当然の話、その後は「元の木阿弥」で「つぎ・・・、くぼ・・・」という声が車内に発せられたのはいうまでもありません。