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クレーム千夜一夜 < 第48話「謝っていない謝罪」 >
8月24日に海洋放出した福島の原発事故の処理水は、放出開始からすでに2週間余を経過しています。処理水の海洋放出についての問題指摘は一旦横に置くとして、今回は、どこかの国の農水大臣の話をしたいと思います。8月31日に記者からの質問で「処理水」を「汚染水」と発言してしまった大臣がいることはほとんどの人がご存じのことでしょう。翌日に慌てて記者会見を開きました。「処理水を汚染水と言い間違えたことについて、全面的に謝罪をして発言を撤回したところだが、福島の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに不快な思いをさせて申し訳なかった」と述べたのでした。しかも、役人が作った原稿なんでしょうか“淡々と”その原稿を読み上げているかのように見えました。TVで見た限りでは、2~3度顔を上げてはいたものの、ほとんど原稿に目を落として文書を読みながら謝罪しているかのようでした。ニュース報道を見ている人たちの中には、大臣の抑揚が感じられない、気持ちがこもっていないこの謝罪に、「何だよ、この大臣、原稿を読んでいるだけで本当に謝っているわけではないのでは?」と感じたはずです。その場にいた記者の一人が「下に置いた紙を見て原稿を読み上げる謝罪では大臣の思いが伝わらない」と指摘をしていました。その大臣は、その記者が指摘した意味を理解しているのか?それまでとはまったく違う表情でニコニコしながら「私は時々、口が滑ってしまう恐れがあるので、こうして間違わないように読ませていただいた」と悪びれずに、またまた“口を滑らせた”のでした。
大丈夫かなこの大臣?「口が滑る」とはどういうことなのか分っているのかなあ?世の中には、自分の心にある感情や思考を素直に口に出してはいけない場面が多々あるものです。「本音」ともいいます。「本音」を心の奥にしまっておいて、「たてまえ」を言わざるを得ないことがあることを私も理解しています。それなのに、この大臣は「心の奥にしまっておいた」ことを「つい」口に出してしまったということなのです。口が滑ってしまい心の奥から「本音」がポロリと出てきてしまったのです。想像するに、この大臣の「真の気持ち」・「本音」は、今回海洋放出しているのは「処理水」ではなく「汚染水」だと考えているのでしょうね。でも「汚染水」などと呼んでしまったら政府の方針とは異なってしまうし、大問題になってしまうので、心の奥底にしまっておいたのでしょう。それが「つい」口が滑って出てきてしまった、ということなんでしょうね。え~っ、本音だったの・・・?
誰だ、こんな男を参議院議員にしてしまったのは!どこの選挙民だ!4期も当選させているのは!どこのどいつだ、農林水産大臣になどに任命しているのは!