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クレーム千夜一夜 <第47話 ”郷に入っては郷に従え” >

先日の日曜日、仲間3名と中華街で飲もうということになりました。私が時々行く老舗の中華料理店「ABC楼」があるので、そこに仲間たちを案内しました。実を言うと、その老舗中華料理店「ABC楼」は、料理は美味しいのですが、スタッフのサービスが「今ひとつ」いやいや、「今二つ」いや「今三つ」くらいの店なのです。仲間には事前に伝えておいた方が良いので説明しておきました。

さすがに日曜日の夕方です。中華街のメイン通りは人・人・人で大混雑している状態でした。何か食べ物を手に持って、カップに入ったソフトドリンクを飲みながらの食べ歩きの人たちが相当数いました。そのような雑踏とは縁がないのか、「ABC楼」に入ると5~6名の1団体がいるだけで他の席は空いていました。”ラッキー”。皆が席に着き“とりあえずビール”とばかりに生ビールを4つ注文しました。暫くして生ビールがテーブルに来たので、スタッフに「料理の注文いいですか?」とメニューを開きながら見えるように料理を注文しました。「えっと、先ずはこれを」とメニューの料理を指で示しながらスタッフに伝えると、何とスゴイ言葉が返ってきたのです。「“これ”では分らない!」少し怒っているような様子で外国人特有の発音で返ってきたのです。「ごめんごめん、この料理」と今度はメニューをスタッフに近づけ見せるようにして掲載されている料理を指先でぐるぐると回しながら伝えました。「青菜の何とか」と書かれていました。すると「“これ”では駄目、分らない」先ほどよりも強めのトーンでスタッフから返ってきたのです。仲間たちの顔を見ると、皆、驚いたような顔をしていました。「ああ、ごめん、えーとね」と今度はメニューに書かれている料理名を口でたどたどしく伝えたところ、料理の注文は滞りなくできたのでした。

スタッフがテーブルを離れていったので、思わず私は「ひどいね」と声を出しました。仲間はそれぞれ「ひどいね」「確かにサービスが悪いね」と感想を述べていました。私がさらに、中国の人たちは、日本に来て商売をしているんだから、やっぱり「郷に入れば郷に従え」という諺があるように、日本式の接客サービスを学ばないといけないよね」と言うと、仲間はそうだよね、と賛同をしてくれました。一瞬、間を置いて、隣に座っていた仲間が、「川合さん、考えて見たら、ABC楼に入っているのは我々なんだから、われわれこそ『郷に入れば郷に従え』ということかも知れないね、と冗談交じりでその場を和ませてくれました。「郷に入れば郷に従え」かぁ~。な~るほどねえ、そういう考え方もあるんだね、と一人つぶやいてしまった私でした。

2023.06.28
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