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クレーム千夜一夜 <第51話 相手目線の話 >

 企業や公的機関に問合せの電話を入れることが時々あります。皆さんも経験があると思いますが、電話を入れると自動音声メッセージが流れてきます。「これからいくつかの内容を申し上げますので、該当番号を押してください。○○のお問合せは1番を、△△は3番を…」という具合です。そこで該当番号を押すと同様に「■■は5番を、★★は7番を」とメッセージが流れてきます。それが三度四度と続きます。これらをクリアしてやっと生身の担当者に辿り着きます(苛立つなあ…)。昨今、経費を考えたら仕方が無いことであり、電話で問合せをする私たちは許容すべきなのでしょう。

 ただ、どうしても担当者に直接教えてもらいたいことがある時には、不便なシステムではありますが、受話器を耳に当てて67分我慢をします。我慢した後、そのときに私はさらに不満を感じることになります。

 その不満とは、担当者が出るまでの間に受話器から流れてくる音楽です。音楽?私には「騒音」「雑音」にしか聞こえません。「小川のせせらぎ」「森林の小鳥の囀り」など、聞く人の心を癒してくれるようなソフトで穏やかな音楽であれば歓迎しますが、まるで軍艦マーチや行進曲かのように勇ましい大音量なのです。私たちを威圧するかのような大音量はかえってストレスを増幅させてしまいます。

 苦情の電話を考えてみましょう。私たちは、不満や不愉快な気持があるからこそ苦情の電話を掛けるのです。担当者に辿り着くまで散々待たされ、大音量の騒音を聞かされて、ストレスは最高潮に達してしまうはずです。担当者が出たと同時に「どうなっているんだ!」となることは簡単に想像できます。

 問合せだけのはずはありません。苦情の電話もあるはずです。

 担当者の皆さん、こんな「騒音」「雑音」を聞かされた消費者の電話を受けて自社にプラスになりますか?

 担当者の皆さん、消費者の立場になって自社に直接電話し、応答内容を聞いたことがありますか?

 トップの皆さんはこの状況を知っていますか?

<こうすれば良いのに>

これを読んだあなたが、今すぐに自社に電話してみることですね。

2024.04.21
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