明るく元気で、楽しい研修・講演

新着情報

クレーム千夜一夜 <第52話 「返事がないよぉ~」の話 >

 乗り合いバスの運転士と乗客とのやりとりです。バス停の「○○前」のすぐ手前でのことでした。「ピンボ~ン」、車内に降車ボタンが突然鳴りました。しかし、次のバス停で降りる人はいないようです。さらに「○○前」のバス停には人影が見えません。素通りするつもりだったのに突然、降車のブザー音が鳴り響いたので運転士が間髪を入れずに「○○前ですかぁ~」(○○前で降りますか?)と声を上げました。

『バス停直前でブザーを鳴らされると、急ブレーキとなり危険ですから、もっと早めにブザーを押してください!』というのが聞こえるような少し苛立った声でした。一方、降車ボタンを押し間違えた乗客は、申し訳なさそうに「すみません、間違えました。次の△△前で降ります。」と声を上げたのでした。運転士は次にどのように返すのかなあ?と私は興味深げに聞いていました。ところが無言のまま何も反応はありません。「怒っているのかな?」と私は余計なことを考えていました。       

無視されたようです。「すみません、間違えました」と乗客は謝ったのに運転士は「無視」です。

心理学的に言うと、「無視」は反応の中でも最悪なものなのです。「乗客の命が懸っているんだぞ、間違えて押しやがって!」と返された方が反応を受ける人にはよっぽど気が楽です。「無視」は、相手の存在を認めていない最悪な反応だからです。職場内や学校内の「いじめ」についてTVや新聞で時々報道されます。「おはよう」と挨拶しても返事が戻ってこないのです。楽しいお喋りの仲間に入ろうとしても、入れてくれないのです。「私はあんたが『ここにいる』ことを認めないからね。あんたはいないの。だから返事もしないし、お喋りの仲間にも入れないよ。だから無視!」と、まったく相手にしないのです。「いじめ」につながり、時には「自死」にもつながることがあります。

運転士が返事しなかったことが必ず「いじめ」「自死」に繋がるわけではありませんが、本人にその気がなくても返事をしないことは、相手にはとても辛いのです。

<こうすれば良いのに>

「気をつけてくださいね」と返せばよいのです。できればソフトなトーンで。疲れているのかな?聞こえなかったのかな?

2024.05.04
カテゴリー:新着情報
ページの先頭へ