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クレーム千夜一夜<第42話 相手目線の話し>
私は『地図音痴』というか、空間識能力に自信がありません。外出先で目的地に向かう際には、自分の進もうと思っている方向と手にした地図の上下左右の位置を合わせないと迷ってしまうのです。そのため、歩きながら地図を右に左にと回転させながら進んでいくのです。
先日、埼玉県にある「●●公園」に行きました。毎年お彼岸の時期になると22ヘクタールという広大な公園に、「◇◇◇」と呼ばれる花が咲き誇ることで有名だそうです。
というのは、知人「今が見頃ですよ」と「●●公園」のことを写真入りで紹介してくれたのです。その景観たるや『豪華絢爛』ということでした。数日後に訪問してみました。
数日後だったので、残念ながら「◇◇◇」と呼ばれる花々の半分以上は「見頃」が過ぎて枯れている状態でした。とはいえ、最盛期は「見事」だろうなと容易に想像できるほどでした。日差しの関係なのでしょう、公園の奥のエリアでは見頃の「◇◇◇」の花々が咲き誇っていましたので十分堪能できました。しかも、広大な公園です、なかなか自然とふれあう機会が少ない私です。散歩を兼ねて公園内を歩き回りました。大満足の1日でした。
ところが、どうも一つ気になることがあったのです。入り口に設置されている大きな看板を見上げると、公園内の施設の配置、散歩ルートなどが分りやすく描かれていました。しかし、それらが、看板の地図では「現在地」から右斜め前に進むように『矢印』が描かれているのですが、実際は左側に進むのです。看板上の地図を大胆に回転させないと地図と現実の方向が合致しないのです。頭の中で地図を回転させるのは『地図音痴』の私には難しすぎました。とにかく目で確認した方向、左に進んでいきました。公園内には、想像ですが10~20くらい案内看板があったような気がしますが、それらがすべて入り口の大きな看板に描かれた地図と上下左右が全く同じ地図を縮小して描かれているのです。どこに行っても同じ看板でした。
散歩しながら「あそこに行きたい」と思って立て看板を見るのですが、『地図音痴』の私には不親切な看板としか思えませんでした。それはあなたが『地図音痴』だからそう思うのでしょう?という声も聞こえて来そうですが、やはり、自分が立って見ている位置や方向が、描かれている地図と同じ位置・方向になっている方が誰にとっても分りやすいのは当たり前です。
これはこの『●●公園』だけではありません。駅前の案内地図看板、自社の位置を紹介する際にアクセスとして描かれている地図、商業施設のフロア案内の地図等々で似た様なことは多々見かけます。いつでも「相手目線」、「相手の立場になる」を忘れるとこういう結果になってしまうのでしょうね。