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クレーム千夜一夜   <第35夜 ウクライナ情勢>

ウクライナへのロシア軍の侵攻・侵略が止まりません。圧倒的に強い軍事力でウクライナ各地を占拠しているようですが、首都キエフの制圧が出来ていないようです。

原因の一つに、ロシア軍の兵士の中には、「軍事演習」に来たはずなのに、何だかウクライナに移動しているようだ。兄弟国のウクライナを攻撃したくない、と思っている兵士が少数ですがいるようです。

さらに、一挙に制圧出来ると思っていたロシア軍は、準備すべき補給料が少な過ぎたようです。最前線の部隊に思うように補給が出来ていないようです。

また、

航空部隊や地対地ミサイルなどで徹底的に都市をたたいてから歩兵部隊が侵攻するというのがセオリーなのに、初日はミサイル、ロケット砲の攻撃がありましたが歩兵部隊も初日に侵攻していたようです。

ウクライナには、欧米から、携帯用の地対空ミサイル、対戦車砲をはじめとする各種の携帯用の武器や弾薬が想定以上に供与されていて、結果、ロシアがウクライナの制空権を確保できていない

等々がニュースで報道されています。

ロシアに対して西側諸国が強力な経済制裁を行なっています。今回は日本も同調しています。さらには、世界各国でロシアの侵略に抗議するデモが起きています。ロシア国内でも発生しているようです。

国連の安全保障理事会では、当事者のロシアが拒否権を発動して否決されてしまいましたが、今度は拒否権のない国連総会でロシアの「非難決議案」が採択されそうです。

それぞれの人たちが軍事的手段以外で抗議の声を上げています。各国で、各地で抗議の声をあげて、その流れがどんどん大きくなるように祈っていますが、その姿をプーチンに示さないといけません。デモに参加出来ない人は「プーチンの行動は絶対に許せない」と仲間に伝えたいですね。ロシアの国民の中から、プーチンに対する抗議の輪が大きくなり、失脚するなんてことになるのは夢では無いかも知れません。

良識のあるロシア軍部から「クーデター」が起きても良いかもしれません。

このようなウクライナ情勢が混沌としているときに、日本の政治家の中には不埒なことを主張する人が出てきています。「憲法九条など守っていると、簡単に侵略されてしまうよ。ウクライナが良い例だ」「日本の防衛費をもっと強大にしたり、核を保有しないと、侵略が現実化してしまう」と。

何を言っているんでしょう。世界の軍事力ランキング2022年(グローバル・ファイヤーパワー)では、日本はインドに次いで第5位の軍事大国になっているんですよ。2015年では9位だったものが・・・。

そして、あの安倍晋三などは、とんでもないことを言っています。

「アメリカの核を『共有』すると良いのでは。NATOでは『核の共有』ということで共同運用をしている国もある。アメリカの核をその国が主体的に使用できるようになっている。日本も検討しても良いのではないか」などと超タカ派的な発言をしています。混沌状態にあることをいいことに『火事場泥棒』的な発言は許せません。

だいたい、日本は世界で唯一の被爆国です。世界に誇れる『非核三原則』という国是があります。北は北海道から南は沖縄まで日本の国には核はないのです(ないことになっている、とも言えますが・・・)。

ウクライナは、旧ソ連陣営ではソ連に次いで2番目の軍事大国だったのです。ウクライナとして独立したときもです。

そういう国ですら侵略されるのです。軍事力が大きかろうが、小さかろうが、戦争を起こそうとする国は「相手から攻撃を受けた。自国民の防衛のため」という大義名分で戦争を始めるのです。

今こそ、軍事力に頼ることなく、日常の外交努力、非軍事での友好努力をしていくという地道な努力を積み重ねていかないといけないのです。

2022.02.28
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