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クレーム千夜一夜 <第25夜 アベノマスク>
新コロナウィルスの猛威が世の中を、国民全員を不安に陥れています。
このような情勢の時にこそ、国民全員が「お上」の指示に従いながら正しい振舞いをしないといけないのでしょう。
しかし、その肝心な「お上」が信頼できるような施策を迅速に強力に遂行し、
国民に「さすが」と感じさせないような「お上」でなければ素直に従うことはないでしょう。
「お上」がいくら「立派」な施策を発表しても、
内容がなく説明が「きれいごと」でいかにも「自己顕示」と見えるようなもの、
具体性に欠けているものであれば国民は従わないのは当然です。
平常時からの国民からの信頼性の有無がポイントです。今こそ、為政者の「資質」が問われています。
某都知事の場合も同じです。
感染者数が都内の病院の感染者用のベッド数500有余をすでに上回っているそうです。
今後あと数百増やすよう努力をしています、と自慢げに説明しています。
上回るのは当然でしょう。
2月から言われていますが、感染者全員を入院させればベッド数が不足するのは当たり前です。
為政者がすることは、ベッド数を増やすだけでなく、
トリアージと言われていますが、感染しても軽症者の場合は
公的機関が所有している寮や施設を病院代わりに確保して、隔離するという方法を早くとらねばならないのです。
担当医師を2~3名割り当てて、直接診察せずに電話やパソコンを活用して患者を管理する、
間接診察をして患者が重症化に向かうようであれば入院措置をとる、
というような仕組みをとることです。
新コロナの場合は感染者の8割が軽症だと言われています。
8割(400名)の軽症者を病院から移転させれば、病院ではもっと余裕ある治療ができるのです。
国民・都民に事実を隠して、まるで自分はこんなに努力しています、と選挙対策を考えてアピールでもしているつもりなのかしら・・・?
そんなことを考えていた時にニュースが耳に入りました。
某首相が「全5千万世帯にマスクを2枚ずつ配布します。洗えるマスクです」と得意げに話をしているのです。
確かにマスクは全国的に不足しています。そういう意味ではとても貴重で価値あるマスクです。
その貴重なマスクを全世帯に2枚ずつ配布するということです。製造、包装、配送、広報費用等々で数十億円かかるそうです。
この知らせを聞いて、日本国民1億2500万人のうち、いったい何名が「拍手喝采」するでしょうか?
1世帯に2枚ずつもらってどれだけの人が「助かったぁ」という声を上げるのでしょう?
為政者が今やらねばならないことは、そんな「頓珍漢」な施策ではありません。
情報が少ない中で私が知っている現状は、
感染している人が増大している、そのため病院に感染症対応の防護服、防護専門マスクの備蓄が不足している、
人工呼吸器や上機能の「エクモ」が少ない、感染症に対応する医師が疲弊している・不足している、ベッド数が不足している、
等々です。
為政者がやらねばならない中で、全世帯にマスクを配布する優先順位はずっと下の方です。
マスクを配布する費用と労力があるのなら、そのパワーをもっと優先度の高い方に投下して欲しいと思っているのは私だけではありません。
それにしても、この某首相の周りの人、同じ政党の政治家たちは同じ発想なのでしょうか?
誰も諫める人はいないのでしょうか?諫めようと思っても自己保身の方が大切だと思っているのでしょうか?
心の中で「頓珍漢な施策」と思っても、俺には関係ない、とでも思っているのでしょうか?
それを考えたら、新型コロナウィルスに「負けないくらい」この国の政治家に恐ろしさを覚えました。