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クレーム千夜一夜 <23夜 包括?>
10月1日から消費税が10%に上がりました。9月下旬の消費者の買い物行動が話題となりTVで放映されていました。この買い物行動は、軽減税率が適用されない必要品などを8%のうちに買い込んでおこうという“消費者の賢い知恵”なのでしょう。生活防衛なのでしょうね。
スーパーや小売店などに消費者が殺到している風景をTVでよく見かけました。中には、10月1日以降は軽減税率が適用される(10/1以降も8%のまま)ので慌てて買う必要のないものまで大量に買ってしまったり、特に必要としないものまでムードで買い込んでしまったり、という“慌て者”のことも報道されていました。“たった2%”と捉えるのか“2%も”と見るかによって行動が違うのでしょうが、これほどまでの騒動になってしまうことに少し違和感を覚えます。“たった2%”でフワフワするんじゃない!もっと落ち着いた消費者になりなさい、という声が私の心の中で、小さな声ですが聞こえて来ます。
たかが2%と言っている私でありますし、そんなこと言っている割には矛盾してしまいますが、先日、ある大学病院でこんなことを体験しました。
私の妻が白内障と診断され、東京のある大学病院で両目の手術を行いました。先ずは右目を、1週間後に左目を、と分けて手術を行い無事に終了しました。当然、それぞれ会計をいたしました。1週間後に手術した左目の会計をした時のことです。1週間前に会計した時と治療費が違うのです。うる覚えだったのですが、1週間前の右目の時は、5万9千円?という記憶があり、今回の左目の時は6万1千円という違いがあったのです。あれ?左右の目が違うとはいえ、同じ白内障の手術だろうに、どうして右目と左目の費用が違うのだろう?と感じて、会計のスタッフに尋ねてみました。1週間前の治療費の明細を取り出してくれて、本日の左目の費用明細と比べていました。「確かに“手術・輸血料金”が400円、合計が2千円くらい違いますね」といいながら、調べてみますということで15分くらい待たされました。スタッフは上司に尋ねたり電話をしたりしていました。ナースステーションなどに問い合わせをしていたのでしょう。そのスタッフが私のところに来て、「右目の手術は、純粋に右目の手術代金だけとなっています。左目の手術の時の会計には、左目の純粋の手術代金の他に、手術後の右目の診察代金も入っているそうです」と説明してくれました。「なるほど!」とは思いませんでしたが、確かに手術の翌日に、左目の術後の状況を見ていましたし、それが終わると1週間前に手術した右目の状況も診ていたことを思い出しました。でもねぇ~・・・。まあ仕方がないな、と思い引き下がるつもりでいました。ところが、“手術・輸血料金”が400円違うが、あと1,500円くらいはどうして違うのだろう?と思い、二つの明細書をもう一度見直してみました。“入院料等(包括)”という項目で、左目の方が千円くらい高いのです。“食事療養費”は1,100円右目の方が高いのです。さらに、“入院料”という項目には、右目の時だけ210円と記載されていて、左目にはありませんでした。このスタッフに再度質問してみました。すると、“包括評価”ということで、看護師がお世話した内容や軽重度などで金額が違うのです。ここでは総合的に見ていくら、と判断するのです」という説明を受けました。このスタッフにこれ以上尋ねても時間の無駄になってしまうと考えて、「分かりました」と引き下がりました。“入院費等(包括)”?この“等”のいい加減な表現は何ですかね。もちろん、いろいろ世話したことを積み上げて“〇〇円!”と決めているのでしょうが、包括ですから「えい!」とばかり、今回は1万円、前回は何となく面倒だったから2万円、等と決められていなければいいのですが・・・?という疑いが全く晴れませんでした。。たかが1000円、2000円くらいのことで・・・とも考えましたが、医療費が社会問題化している今の時代、これらは健康保険の費用から7割が充当されてこの大学病院に支払われているのです。患者さんは、たかが2千円だから「細かいことは言いっこなしだ」と呑気なことを言っている場合ではないのでは・・・?と考えたら、なかなか気持ちが治まりませんでした。患者個人にはなるべく分からないように、としている訳ではないのでしょうが、大病院・医療業界の闇、を感じた手術でした。