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クレーム千夜一夜 <第15夜  言い訳>

「健康人間」「頑丈男」「タフネスマン」を自負する私であり、毎日のお酒生活、お腹いっぱいが大好き、辛いもの・熱いもの・しょっぱいものが大好物な私だったが、案の定、1月下旬の健康診断に引っかかってしまった。胃のレントゲン写真を見ながら医師が「少し膨らんでいる個所がある、胃がんではないとは思いますが念のため内視鏡で組織を取って検査してみましょう」と口にした。あらまあ、そんなことに・・・。2週間後に内視鏡で胃の検査をしたのが先日のことだった。

検査大好き人間の私は、胃の内視鏡検査は過去に4回の経験があり、今回の鼻からの内視鏡検査は前回に続き2回目だった。

前回同様、鼻に麻酔をかけてその後ベッドに横たわると、目の前のモニターが私の胃の中を鮮明に映し出していた。内視鏡で見るだけの検査であれば5~6分の確認で異常を確認できるのだが、今回は組織をつまみ取るということなので時間が倍かかった。内視鏡2

前回同様安心しながらモニターを見続けていた。すると、医師の口から「あれっ?」「う~ん」というため息のような言葉がたびたび発せられるのだ。疑わしい個所まで内視鏡の先が届かず、つまみ取れないようだ。うなりながら医師が苦戦している様子が声の様子でよく分かった。もちろん、医師はあきらめることなく奮闘していた。暫くすると「いやあ、内視鏡の先が肝心のところまで届かないんですよ~、鼻からの内視鏡の場合はこういうことがあるんですよ、あ~っと」という言葉通り、モニターには内視鏡の先が「肝心な個所」に届いていないところを映していた。何度やっても届かない。うなり声を聞きながら私は「あれ?疑わしい個所の位置は最初から分かっていたのでは・・・」と思いながら医師の技術を信じてそのままの体制で我慢をしていた。また医師は発した。「胃が動いてしまうんですよね~、動くから・・・・」続いて「大学病院だと胃に事前処置をするんですけどね・・・」

え~っ?ちょっとちょっと、そうだったら事前に処置してから内視鏡の検査をしてよ、と思いながら「少し呼吸を止めていましょうか?」と私は医師に協力姿勢を示した。すると「いやいや同じですから・・・」と操作を続けていた。それから約3分、医師はやっと「終わりですからね~、申し訳なかったですね~、時間がかかってしまいましたね~」と私が不信感を抱いていることをよそに、優しい言葉と表情で声をかけてくれた。胃カメラ

それにしても「届かない?だったら届くような内視鏡を使用してよ!」「えっ?胃が動いてしまう?大学病院だと事前に処置をする、だって?だったら事前に処置してよ~」

もちろん、事前に綿密に検討し判断した結果なのだろうから、素人の私には分からない理由があるのだろう、しかし、「鼻からの内視鏡は届かないから・・・」「胃が動いてしまうから・・・」などという言葉を患者の前で発してはいけないよな~、と思いながら検査終了となった。良かった。

クレーム対応の分野では、このような発言を「言い訳」という。本人は悪気がなく言っているのだろうが「言い訳」に感じられてしまい、致命的になることがある。気を付けましょう。

2016.02.23
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