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【クレーム千夜一夜】

◆最近、モンスターが騒がれていますが、トラブルになるのは必ずしもそうではないことが多い、ということを【クレーム千夜一夜】で紹介してまいります。

そういえばそうだな・・・。と感じるところがあればまだ救われます。◆

 

第1話<「受け容れる」ということ>

 愛妻と中華料理を食べに行くことがあります。いや、中華料理だなんて、いわゆる「ラーメン屋」さんに食べに行くということです。

 私は餃子が大好きなのでよく食べに行くのです。

 ある時、ターミナル駅の駅ビルのラーメン屋さんに女房と入りました。入口に「ニラ饅頭」がサンプルに飾られていたからです。白状しますが、私は「ニラ饅頭」というものを食べたことがありませんでした。餃子を大きくしたような感じに見えて美味しそうだったのでそれにひかれて入り注文したという次第です。

 さて、その「ニラ饅頭」がお皿に盛られて出てきました。さあ、食べようと思ったのですが、醤油をつけて食べるのか?ラー油やお酢をつけて食べるのか?不安になって女房にそっと聞いてみました。女房は「私だってそんなの知らないわよ。」とつれない返事。仕方がない、恥を忍んで店員さんに聞くことにしました。

 「あのすみません・・・。」というとすぐに店員さんが来てくれました。「あの、このニラ饅頭は何を付けて食べると良いのですか?醤油?」

すると、その店員さんは笑みを浮かべながら

「それは好き好きですね~。お好みですから~。」と言ってそのまま立ち去ってしまいました。


 そりゃそうでしょう。食べ物は自分の好きなように食べるのが一番美味しいのでしょうし、自由に味を選んで食べればよいのですものね。店員さんの言うことは何ら間違えてはいない。そう思いながらも、私のこころの中は冷たい風が“すう~っ”と吹いていました。

 そりゃ好き好きには違いないけれど、皆さんは何を付けて食べる方が多いのかを尋ねたのに。それじゃあ、マヨネーズとケチャップでもつけて食べても笑わない?「あんこ」でもつけて食べてやろうかな。私は苛立ちを押さえながら思いました。「なんて寂しい回答なんだろう。」


 受け容れることが出来ない人が多くなってきました。相手が言っていることをそのまま、疑いを持たずに受け容れるのです。言い分を受け容れるのです。受け容れられた相手の人の気分は本当に気分が良いものです。


 何をつけるのかと尋ねられているのですから、店員さんはこのお客様の言い分を受け容れて欲しいですね。

「そうですね~、皆さん、お醤油とラー油、お酢をつけて食べる方が多いですね。私はさらに“からし”を付けることもありますよ。少しからみが出て美味しいですよ。後はお好みですね・・・・。」と回答されたらどんなに安心して「ニラ饅頭」を美味しく味わうことが出来たか。

 “受け容れる”。受け容れることは、相手の気持ちを受け容れることなのです。受け容れることに長けてくると人間関係が楽になること請け負います。

2010.12.21
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