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クレーム千夜一夜 <第19話 褒めの達人>

3年ほど前から、数ヶ月に一度、近所にあるU歯科クリニックに通院しています。歯の治療ではなく、予防医療ということで歯のメンテナンス中心で通院しています。歯医者さんの印象というと、虫歯の治療しか頭に無かった私ですが、偶然、歯の予防の重要性に気づいたのはとてもラッキーなことでした。

そのクリニックには、男性院長と女性の歯科衛生士の先生2名が診察に当たっていました。女性の歯科衛生士の先生から歯のメンテナンスの方法を教わり、正しい方法で歯磨きをし始めてからは、そして、数カ月に一度、定期点検で通院していることで、ここ3年虫歯の治療を必要としていません。以前は、年に1~2回は治療に行っていた私ですが、とても良い結果となっています。

この女性の先生が素晴らしいのです。「ヤマほど」ある中でいくつかを紹介しますと、診察時に、歯の点検にじっくりと時間をかけてくれるところや、その都度丁寧に説明してくれるところが素晴らしいのです。特に強調したいところは、とても上手に「褒めて」くれるところです。診察台で横になり診察のために口を大きく開けていると、女性の先生が私の歯を一つ一つ点検してくれます。奥歯に汚れがないかどうか?「磨き残し」がないかどうか?問題があるような状態になっていないか?点検しながら「川合さん、きれいに磨けていますね。とてもきれいですね」とまず褒めてくれます。「合格ですね、合格。よく頑張りましたね。この右の奥歯の裏側は磨きにくい場所ですから、少し汚れが残っています。もう少し丁寧に磨くと100点満点ですね。でも素晴らしいですよ、合格です。奥の歯の磨き方だけ気を付けて引き続き丁寧に歯磨きを続けてくださいね」

女性の先生の言葉に私は「コロッ!」と舞い上がります。私のこころは満足感・充足感・達成感で満たされています。いい気分ですよね。だってこんなに褒められてしまったんですから・・・。いい気分になり、「よ~し、今晩からは奥歯の裏の汚れを意識して磨こう!」私の気持ちは、まるで小学校1年生が学校の先生に褒められたかのように高揚した気分になっています。

この褒め方が逆だとどうでしょう。

「川合さん、右の奥歯の裏側に汚れが残っていますね。磨き方が不十分かもしれませんね。もっと丁寧に磨いてください、いいですか、ここは汚れが落ちにくいところですからね。その他の歯はいいですけれどね」

このような順番の言葉がけだったら、私の頭にはすぐに反論が浮んできてしまいます。「私だって私なりに丁寧に磨いていますよ。私は毎日20分くらいかけて歯磨きをしているんですよ。奥歯は特に丁寧に磨いていますよ。ちょっとくらい汚れが残るのは仕方がないですよ。見えにくいところなんだから・・・」「何つまらないこと言っているの、この先生は・・・」

指摘する点がたくさんあったからといって、マイナスのことを優先して指摘してしまえば、相手はその指摘を受け容れにくくなってしまいます。相手だって頑張っていたのですから・・・。「仕方がないじゃないの~」「え~っ?こんなに一所懸命歯磨きをしているのに・・・?」

こうなったら、その後にいくら褒めても、人の「こころ」は閉じてしまっています。「褒め」たとしても「後の祭り」、跳ね飛ばしてしまいます。

叱るときは、先ずは褒めを3回、その後に叱るを1回を実践すると相手は素直に「指摘」を受け容れてくれます。

ところが、半年くらい前に異変が起きてしまいました。

あの、女性歯科衛生士の先生がそのクリニックを辞めることになりました。その後は、クリニックの男性院長が歯の点検をしてくれています。診察台に横たわっている私の歯を診るために顔を私に近づけてきます。「ふ~っ」「ふ~っ」マスクをしているのですが院長の鼻息が私の顔に当たります。一所懸命点検してくれてはいるのですが、どこか雑で、乱暴で、単調です。

あ~あ、別な歯科クリニックに変えようかな~?

2019.02.28
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