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クレーム千夜一夜 < 第75話 「『裸の王様』になってしまった日本」の話 >
日本に対するトランプ「相互関税」が25%から15%になったと報道されている。「相互」だから日本も米国に同様の15%関税を課すのなら理解できる。しかも、約80兆円の投資まで約束させられている。「野球選手が契約時に受け取る契約金のようなもので、私たちの資金であり投資の資金だ。」とトランプは嘘ぶいている。また「相互関税率を25%から15%にしたのだから『よくやった』と評価しなくては」という声も聞こえてきそうだ。しかし、今迄はほぼ0%だったものが15%の税率に上げられて安堵している場合ではない。盗人に25万円強奪されて「10万円は返してやる、その代り来週までに8百万円寄越せ」と恐喝されて「良かった」と喜ぶ被害者はいない。しかも、今回は合意書すらない。トランプの言いたい放題、やりたい放題だ。「何を馬鹿なことを、合意書を作成しようなどと今言ったら、完成するまで25%の関税が続いてしまう。何をされるか分からないが、とりあえず今は黙っているのが賢明だ」だと?!イギリスのように合意書を作成した国もあるのに?
トランプの言動をよく「裸の王様」と例える人は多い。回りは分かっているのに進言しない様子のことだ。日本の交渉にも同じことが言える。トランプにNO!と言えば良いのに「トランプ様のおっしゃる通りにいたします」と服従姿勢のままに応じている日本の大人たちに「もっと自信を持ちなさい、私たちには主張する権利も力もあるよ」と言いたい。トランプとの関税交渉は、相互関税ではない、ただの「関税」交渉だ。ディールでもない。「脅し」だ。「何を言っている、そんなことしたら安全保障の観点で米国は日本から手を引いてしまうぞ。よく考えて言いなさい」うわぁ~、聞こえてきそうな言葉だ。そうでは無い、そのくらいの覚悟で臨むからこそ脅しではなく真のディール・交渉が成立するのだろう。日本が毅然とした姿勢で臨むことが、他の主要国にも影響を与え、追随となるだろう。
この文書を作成している最中、「15%の解釈が日米で異なっていることが分かった」というニュースが飛び込んできた。やっぱり…。